haru_z1kのブログ

30年勤めた国家公務員を中途退職し、ボリビアで中山間地農業をやっていましたが、実家の事情で急きょ帰国しなければならない羽目に...。ボリビアには当分戻れそうにないので、これ以上ボケが進まないように、ニュースや生活の中から頭の体操をしていこうと考えています。

私は進撃の中年王

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南米のボリビアから予定外の帰国となって、もうすぐ一年になろうとしている。

50で公務員を辞め、その退職金で、ボリビア第二の都市サンタクルス郊外で小さな牧場と果樹園を始めた。

平地は値段が高いので丘陵地帯を切り開いた場所の農場を購入して改良した。

最初は日本から中古の農機を仕入れて作業しようと考えていたのだが、退職当時1ドル98円だったのが、あっというまに80円を切る水準に。現地で新品を買った方が安く、とても日本から農機を仕入れられる状態ではなくなった。

牧場では、地鶏ならぬ地牛とホルスタインの混血種を40頭ほど飼育することにした。私の農場付近では、ガラパタという吸血寄生虫が大量にいて、地牛の血が混じっていないとすぐに寄生虫にやられてしまう。当然、食の安全を確保するために農薬の使用は極力抑えたい。ちなみにガラパタは人間にも寄生する。家でシャワーを浴びているとあちこちに発見することがある。希ではあるが咬まれた場所は水疱瘡のように腫れ、かゆくてたまらない。

搾乳機がないので手で搾乳を行う。午前4時と午後4時の1日2回だ。

住居は車で45分の距離にある市の中心部なので午前3時には家をでる。

農場内道路が未整備なため、農場の入り口で車を止め、搾乳場までは懐中電灯の明かりをたよりに徒歩でいく。搾乳場に明かりを灯す前に立ち止まってよく星空を眺めた。学生時代、ワンゲルの部活で行った四国の石鎚山や剣山で眺めた星空には劣るが、とてもきれいで「生きてるなぁ」と実感できる。

 

普段は牧草のみで生活している牛たちだが、搾乳時にはトウモロコシやふすまなどを混合した飼料を給与する。エサを食べている間は比較的おとなしいが、きちんと後ろ足を縛っておかないと「蹴り」を入れられる。最初の頃は気の荒い牛には随分と蹴られて身体のあちこちに青あざを作った。

日本では配合飼料に飼料添加物としてビタミン・ミネラル以外に合成抗菌材や抗生物質が添加されているが、一切添加されていない飼料を購入する。その購入飼料に、前日の天気や牛の体調に合わせて、塩・ビタミン・ミネラルの混合物を別途加える。

飼料は栄養価が高く、牛が「おいしい」と記憶するのに時間はかからない。ボス的な存在の牛は体格も頭も良いので「彼女」を餌付けしてしまえば、後は群れで行動してくれる。

しかし、雨期で牧草が豊富なときは、降りてこないこともあるので丘陵地帯を探して歩き回ることになる。牛にも牧草に好みがあるようで、いつも同じ場所にいるとは限らないので、足場の悪い丘陵地帯を30分以上探して回ることもある。

乳搾りは一頭あたり平均15分。2時間もやっていると手が痛くて仕方がなかった。無理してテンポを上げると腱鞘炎のようになり、搾乳時間が延びるので、焦らないことが肝心だ。飼料袋は一袋50キロで最初はひとりで持ち上げることもできなかったが、学生時代ワンゲルで鍛えられたおかげか、驚くほど「はやく」慣れ、車で運んだ飼料をひとりで下ろして格納することもできるようになったが、退職時89キロあった体重が半年後には70キロになった。

 

その後、

① 乾期を乗り切るため「ため池」を拡張した。

② 牧場内に車が乗り入れられるよう道路を整備した。

③ スイスのメーカーブランド(中国製)の格安搾乳機を導入した。

④ 原生林が残っている部分を開墾し、レモン、ライム、ミカンの果樹園を整備した。

⑤ ブラジル製の原動機付き草刈り機を導入した。

⑥ 初産の牛は慣れるまで子牛と一緒に管理するシステム等を導入し効率化を図った。

⑦ 肉用牛(肥育牛)を導入し、牛の数を80頭まで増やした。

⑧ 果樹園用に養蜂を始めた。

二年もやれば、牛も私の声を覚えてくれる。牛が搾乳場の近くにいないときに「コーチ・コチ。コチコチ。」と声をかければ、すぐに降りてくれる。機械化と効率化で随分と楽になり、私の体重も84キロまで戻っていた。

そして、雨天時の牛乳カン(24リットル)運搬用にカワサキの四輪バイクの購入を検討していた矢先に、福岡の実家から電話が。

 

妹が嘘をついていてDVの被害にあい、母姉甥等に危険が迫っているというマンガのような話だった。

すぐに飛行機を予約し、牧場の従業員に具体的な指示もしないまま帰国した。(おかげで、現在の牧場はだいぶ荒れてしまっているようだ。)

現在、裁判を含めて対応中なので、詳細は記載しないが、あと1〜2年は日本に滞在して様子を見なければならない。

DVの加害者である男は問題外なのだが、妹、妹の弁護士、担当の八幡西警察署それぞれに問題を確認している。特に八幡西警察署は8月に訪問したとき担当の刑事課から門前払いを喰らわされたので、12月に親切で対応の良い折尾署を通してコンタクトを計った。

妹はすでに精神疾患を診断されており、八幡西署の近くに来ると震えが止まらないというので付き添いで行ったのだが、事前に説明したにもかかわらず5人もの刑事が入れ替わり立ち替わり入ってきたり、「被害届を出したい」というこちら側に対して、ある刑事は私に席を外して妹と話をさせるようすごんだ。

精神病患者である妹を脅迫するつもりだったのだろうか。代理人の兄を外す明確な理由を求めるとその刑事は黙ったままだった。結局、最初に対応していた若い警察官が刑事課長からのメモを持ってきて、その内容が妥当だったので、その日はそれで終わらせることにした。

妹はその直後、いったん入院し、現在は退院しているが、私は、その後の対応を弁護士に一任して妹の事件にはなるべく関わらないようにしている。

私が行動すると、妹の弁護士の活動に支障が出かねないことと、私の帰国前に妹たちが行ったかってな行動が、八幡西署の警察官から不信をかっていたのを確認したからだ。

 

なにはともあれ、せっかく日本に居るのだから日本に居る間に、やれることはやっておこうと考えている。南米では未だ日本製品に対する信頼は極めて高い。歯磨き粉、歯ブラシといった日用品はもちろんのこと、ビタミンやω3(EPADHA)等のサプリメントも日本製だと結構評判が良い。将来、1ドル120円を超えるようになれば、これらを輸出しボリビアの珍しい食品を輸入することも計画している。当然、日本国内で起業するための方法は勉強しておく必要がある。

HTML5CSSを使用してタブレット端末への記事の掲載方法を勉強中である。

アジアや欧米でも評判の日本のアニメにも興味がある。少し勉強してみるとアニメは日本の文化だと言っても良いくらい進化しているのがよく分かった。

今、はまっているのは「進撃の巨人」だ。アニメの第5話(主人公が死ぬ場面で終わる)を見て、すぐにコミックを最新の10巻まで購入した。他の大手出版社と違うのか作者が積極的なのかは分からないが、電子書籍でも新刊コミックと同時に出版されている。おかげさまで、タブレット端末研究用に購入したKindle HDが大活躍だ。

コミックを読んでいて、アニメの表現力の高さに改めて感嘆させられた。私が今、一番好きな場面は、オープニングで大勢の兵士が屋根の上に一斉に飛び上がる光景だ。

53歳の私でさえ、かすかに高揚感を覚える。

 

今回の事件が一段落すれば、また、いちから出直しだ。受けた損害は莫大だが、すべてを失ったわけではない。進撃の巨人の主人公であるエレンのようにモチベーションを高めてさぁ「進撃」だ。