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haru_z1kのブログ

30年勤めた国家公務員を中途退職し、ボリビアで中山間地農業をやっていましたが、実家の事情で急きょ帰国しなければならない羽目に...。ボリビアには当分戻れそうにないので、これ以上ボケが進まないように、ニュースや生活の中から頭の体操をしていこうと考えています。

皿倉山から「北九州市」を眺める

9月16日、もう10日も前ですが、皿倉山に行ってきました。

ちょうど世界遺産で八幡製鉄所を含む「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に推薦するかどうかという時期だったので、見晴らしの良い場所から八幡全体を眺めてみたかったからです。

標高600m程度の小さな山ですが、皿倉山は隣の帆柱山と並んで、北九州工業地帯のどこからでも眺められ、ケーブルカーの施設と山頂の展望台が目立つので、どの山かは初めての方にでもすぐに判ると思います。

 

【皿倉山頂から若松方面を望む。】

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【若松の海岸沿いにある風車の動画です。上の写真でも海岸沿いに写っているのですが】

http://youtu.be/VJU_APj_X0c

 

もう40年も前の話になりますが、私の記憶の中の八幡と言えば、北九州工業地帯の中心部として、高度経済成長時代を支え、人が街にあふれかえっていました。

各工場へ積み荷を渡す海路である洞海湾は、工場が垂れ流す廃液で、場所によってはまるで重クロム酸カリウムのようなオレンジ色に変色し、背骨がいびつに曲がった奇形魚が打ち上げられていたり、大型トラックが頻繁に行き来するので、幹線である国道3号線アスファルトは轍ができたように波打ち、横断歩道を渡るのにちゃんと足下を見ていないと危ないような状態でした。

 

【現在の洞海湾。午後6時40分。街に明かりが灯り始めた黒崎方面】

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それでも人が集まってきていて、私が居た中学校では一学年500人以上、一クラス45人という状態で、どんどんと新しい小学校や中学校が作られていったと記憶しています。

北九州市は私が生まれた翌年の1961年に人口が初めて100万人を超えました。その後も増え続け、私が高専を卒業する前の年1979年にピークの106万人を記録したと記憶しています。

八幡製鉄の影響は大きく、「起業祭」(明治34年11月18日に、官営八幡製鐵所が作業開始式を行ったのを機に、11月18日を中心に、その前後あわせて3日間開催されていました。)というお祭りがあり、私が小学生の頃は、この起業祭に合わせて学校が休みになっていました。一企業のために学校を休みにするのはおかしいという意見が出て廃止になりましたが、子供心に随分と嫌な思いをしたのを覚えています。私は「授業」が大嫌いでしたから。

このお祭りは、今でも「ふるさと起業祭」という名称で11月頭の連休に開催しているようです。

 

1970年3月、その八幡製鉄が富士製鉄を救済するため合併し新日鉄となりました。

その後、会社組織の見直しや設備移転等、日ごと激しさを増していく国際競争力に対応するため、ものすごい努力が行われたようですが、八幡の核となっていた生産能力は、大分や君津等へ移転し、それに合わせて徐々に北九州市も寂れていきました。

とどめを刺したのが、1991年11月に、八幡に残っていた第三技術研究所を廃止し、富津市の総合技術センターに移転したことです。3000人規模の社員と家族の移転。八幡の中央町が一気にゴーストタウン化しました。

このとき、社長をやっていたのが富士製鉄の出身者だったため、新日鉄八幡で働いていた関係者からは、「旧八幡の影響力を削ぐために、富士の連中が恩を仇で返した。」との声を随分と聞かされました。

私は今だからこそ理解できますが、厳しい競争を勝ち抜くため、すでに高炉もなく研究所を八幡に置いておくよりは、生産設備に近い千葉県に研究所を移転するのはやむを得なかったのだと思います。ただ、「起業祭」が学校の休みであったように一企業とともに大きく発展してきた八幡の黒崎や中央町の商店街が、今でもゴーストタウン化している様は、何とか改善したいものです。

ちなみに移転によって生じた広大な遊休地は新日鉄都市開発などによって「スペース・ワールド」として再開発されました。

 

【夕焼けのスペース・ワールド方面。中央左の赤い橋は若戸大橋

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【スペース・ワールド拡大】

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さて、皿倉山へ行く方法ですが、祝祭日であれば、JR八幡駅からケーブルカーの乗車場所まで無料バスが出ています。バスが停車する場所は駅前ロータリーの左奥で西鉄バスの停留所と同じではありません。(初めての方は少し判りづらいです。)

西鉄バスだとJR黒崎駅を降りて、駅正面のペデストリアンデッキをまっすぐ進み(パチンコ屋「太陽会館」の画面が目印。)、階段を下りて右側へ。パチンコ屋の前に「黒崎駅前ふれあい通り」というバス停から路線番号42番のバス八幡製鉄所総合センター行きに乗車「帆柱登山口」で下車。☆注意: 皿倉山ではありません。☆

下車したら道路を横切って団地入り口左側の道を登っていき、高速道路が正面に見えたら、その高速道路をくぐる人道が左手に見えますのでその脇道へ入ります。少し行くと階段があるので、それを登ると車道にでます。車道少し右前方に石垣でできた階段がありますので、それを登るとケーブルカーの駅があります。

道路案内板もなく判りにくいし、かなりきつい斜面ですのでお年寄りにはお勧めしません。