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haru_z1kのブログ

30年勤めた国家公務員を中途退職し、ボリビアで中山間地農業をやっていましたが、実家の事情で急きょ帰国しなければならない羽目に...。ボリビアには当分戻れそうにないので、これ以上ボケが進まないように、ニュースや生活の中から頭の体操をしていこうと考えています。

今日は防災の日 その1 広島市の土砂災害

雨量予想のファックス 消防局見落とし NHKニュース

先日の74名の方々がお亡くなりまたは行方不明になっている痛まして広島県の土砂災害について、避難勧告が遅れたことが災害発生後の救助等の混乱に拍車をかけたのではないかとの記事を以前記載させていただきましたが、当時、避難勧告等の指標となる気象庁のデータが書かれたファックスを消防局が見落としていたことが判明しました。

当時の広島市消防局には約10名の職員が当直についていたそうですが、誰も気がつかなかったそうです。消防局は、当時、河川の水位急上昇を知らせるファックス等が多数送られてきていたので見落としたのではないかと詭弁を弄しています。なぜ詭弁であるかというと、どのような行政機関でも、ファックスは緊急時の外部との情報伝達手段のうち最も重要なものだからです。

外部との情報伝達で、「相手が多数いる場合の情報伝達手段」は、電話、メール、ファックスの3通りしかありません。これらが全て使えない場合は、人による伝達(電報・宅配含む)になりますが、霞ヶ関のように情報を送受信する双方が密集しているような場所で無いと、緊急時の対応にはなりません。

いうまでもありませんが、外部であっても、情報伝達が必要な相手が少ない場合は、電話やメールの方が効率的ですし、場合によっては、テレビ会議等も開催できます。

さて、電話による情報伝達では「勘違い」が発生しやすくなりますし、情報を伝達しなければならない相手が多い場合、最初に連絡した者と最後に連絡した者では時間差が生じ、さらに誤報があった場合、相手がうまく捕まらないと古い情報が一人歩きし致命的なミスに繋がります。メールは、相手が情報を受けている端末によっては文字情報しか確実に伝えることができないので、相手にこちらの意図がうまく伝わらない場合がありますし、サーバー・パソコン・通信の状態によっては、相手にすぐに情報が伝わらない場合があります。(私の経験では、メールの着信が半日遅れたことがあります。)

ファックスであれば、手書きでも相手に情報を伝えることができますし、あらかじめ通信先を登録しておけば一回の操作で全ての相手に送信可能です。通信記録を調べファックスが届いていない相手には、電話やメール等他の通信手段を用いて連絡します。これで数分から30分以内には、通信しなければならない相手全てに対する連絡が可能となります。これがファックスが緊急時に最も重要な通信手段である理由です。

 

ファックスについては着信記録がありますので、今回の避難勧告が遅れた件について検証を進めている内部監査チーム(広島市で作っているかは不明ですが・・・)は、

① 前日から当日に送られてきていたファックスの着信時間と枚数

② ファックスの内容を確認して当該部署に配付する担当者を配置していたのか、配置していたとしたら担当者と業務内容は明文化されていたのか、そして、その担当者が他の業務とどの程度兼業しなければならなかったのか

③ 実際にファックスを確認・仕分けした人とその時間

をきちんと調査して、ファックスの内容を確認する作業に実効性があったかを確認して欲しいと思います。

私には、広島市の消防本部の規模が判りませんので、あくまで一般論ですが、総務係・庶務係といった担当係の無い比較的規模の小さな行政部署では、手紙・ファックスについては、新人またはアルバイトが仕分けして担当係に配付します。

今回のように、ファックスが届いた時間が午前1時等であれば、新人・アルバイトともに不在であるため、ファックスが設置されている場所(手狭な行政部署ではファックスが必ずしもファックスの内容を確認しなければならない係の近くにあるとは限りません)に一番近い人が確認することになるため、見落としが発生しやすくなります。

私が国の職員として行政の重要な情報を担当都県にファックスした際は、必ず重要情報を送ったので確認して欲しい旨の電話をかけていましたし、関係都県の担当者からは確認したあと必ず報告の電話を受けていました。

しかし、行政のスリム化に伴い、現在の気象庁が、各都道府県および市町村の全てと連絡を取り合うことは不可能ですし、広島市は民間会社と契約してデータを送ってもらっているようなので、その民間会社からは、送ったファックスについて、内容の重要度を電話で知らせてはいないと思います。(パソコンのファックスサービスで自動送信していた可能性もあります。)

 

もうひとつ、単なる杞憂に過ぎないのかもしれませんが、避難勧告の遅れに、警察及び消防に特有な縦構造の弊害が作用していた可能性もあります。

例えば、市の総務課(または局)は、行政組織の内部では、総務が最も重要な部署になりますから、総務課が非常時に指揮またはサポートすることになるのですが、体育会系が多い警察・消防では総務課を排除する傾向があります。

総務課は関係部局との連携や市長等上級幹部の出勤要請にも重要な役割を持っていますし、マスコミ対応や他機関との連携にも重要ですから、排除していたのでは行政機関として機能することは難しくなります。

もっとも、私が在任中に知った総務課長の中は、お中元お歳暮等の上納品を暗に要求し上納品の内容で人事したり威張り散らす鼻持ちならぬ「者」や、汚職や愛人に手を出していた「者」も居ました。そのような「者」の場合、市長や自分より上位の者が出勤する場合のみ自分も出勤しますが、初動では自ら動きませんし、何かあった場合、下部組織に責任を擦り付ける傾向にありますから、今回、市の総務課がどのような対応をしていたのか検証することも重要です。

しかし、一般的な行政機関の場合、部署内で最も権力を持つ総務課については、内部監査で問題点を明らかにすることはほぼ不可能です。総務課内部の問題点を洗い出すには、選挙で選ばれた市長自らが行動することが必要になります。

いずれにせよ、多くの方がお亡くなりになっていることを念頭に今後の対策を立てて欲しいと思います。