haru_z1kのブログ

30年勤めた国家公務員を中途退職し、ボリビアで中山間地農業をやっていましたが、実家の事情で急きょ帰国しなければならない羽目に...。ボリビアには当分戻れそうにないので、これ以上ボケが進まないように、ニュースや生活の中から頭の体操をしていこうと考えています。

死者の尊厳

まず、御嶽山で、亜硫酸ガスが漂い極めて足場の悪いなか、二次災害の危険を覚悟で47名のご遺体をご家族の元へ届けた自衛隊、警察及び消防の方々へ、敬意を表すとともに、未だ発見されていない16名の一刻も早い救出をお願いしたいと思います。


御嶽山での活動「非常に厳しい任務」 NHKニュース

 


御嶽山で不明の16人 家族ごとに担当者配置 NHKニュース

 

避難小屋で力尽きた20代の若者、小学生とその父親、未だ行方不明の小学生と一緒に食事をしていた女子高校生そして弁当だった手つかずのサンドイッチを持った働き盛りの親父さん。犠牲者の面影が、性格が、今まで生きていた証が、テレビの画面を通してこちらに伝わってくるたびに涙が止まらなくなります。

秋晴れの紅葉を見るために数時間かけて現場に到着した人達は、自分の人生がこのような形で終わることを想像していたでしょうか。残されたご家族、親戚、友人達にも、大きな心の傷が残されたことでしょう。

私が同じ立場だったら、現実を受け止めるのに長い年月を必要とします。それは40年前に父親を亡くした時と同様で、今も、変わることはありません。

 

日本の報道では、死亡と確認するためには「心(音)停止」「呼吸停止」「脈拍停止」「瞳孔拡大」の4項目について医師の診断が必要なため、頂上付近で発見された遺体は『心肺停止』と表現されていますが、海外報道では、直訳のcardiac arrestまたはheart and lung failureという語句では無く、corpsesやbodyが使われています。心肺停止と表現するというのが日本独自の習慣であるという説明もありましたが、私は、心肺停止という表現に、今後もこだわって欲しい思っています。

捜索隊は5〜6人が一チームになって、担架に心肺停止状態の「人」を乗せ、足場が悪いにもかかわらず、丁寧に、ゆっくりと運んでいきます。それはご遺族に対する配慮だけで無く「死者の尊厳」を大切にしている証だとも思います。

彼らが今まで歩んできた人生は無かったことにはならないし、死んだからといって、単なる肉塊として扱って良いわけがありません。

 

今日の捜索では、新に4人が見つかり、ひとりの死亡が確認されました。

亡くなられた方々に心からの安寧を祈念します。