haru_z1kのブログ

30年勤めた国家公務員を中途退職し、ボリビアで中山間地農業をやっていましたが、実家の事情で急きょ帰国しなければならない羽目に...。ボリビアには当分戻れそうにないので、これ以上ボケが進まないように、ニュースや生活の中から頭の体操をしていこうと考えています。

福岡空港の滑走路増設と借地料

先日(27日)、NHKニュースの福岡版で、福岡県と福岡市が設置した有識者会議が、福岡空港の滑走路増設に向けて、その建設費用をまかなうため、運営の民間委託を認めるというニュースがありました。

NHKニュースからの抜粋

福岡空港を管理・運営している国は、空港を活性化させ地域振興につなげようと経営のノウハウを持つ民間企業に運営を委託することを検討するよう福岡県に求めています。
これについて検討するため県と福岡市が設置している有識者らによる会議が、27日、福岡市で開かれ、報告書をまとめました。
報告書では、国が、混雑が深刻化している福岡空港の滑走路の増設は、財源を確保するためにも運営を民間企業に委託することが前提だとする考えを示していることを踏まえ、「迅速な施設整備によるネットワークの拡充が必要だ」などとして民間企業への委託を認めるべきだとしています。

アベノミクス効果(円安)で、この数年、福岡市では中国からの大型客船が博多港に寄港するなど、景気の回復基調が続いており、昨年は、福岡空港で円滑に定時運行ができる目安とされている発着回数の14万5千回を大きく上回る16万7千回となるなど、新しい滑走路の建設は急務となっています。特に福岡空港は、飛行機を降りてから福岡市の中心部の天神まで僅か15分という素晴らしい立地条件で有り、夕方から夜間にかけて離発着する(特に着陸する)飛行機の窓からは、素晴らしい夜景がみられ、福岡県出身者である私にとって自慢の種ですから嬉しいニュースにあたるはずなのですが・・・。

 

実は、アベノミクス前までは、福岡空港は2002年をピークに年間利用者数が減少してきており、滑走路の増設なんかとんでもない話でした。そのうえ、年間1000万人以上が利用する空港のくせに航空系事業の収支は今でも他の空港と比べても巨大な赤字なのです。

【福岡県資料 福岡空港構想・施設計画段階のとりまとめ 利用者数減p3参照のこと】

http://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/128297_50322244_misc.pdf

 

国土交通省 空港別収支の試算結果について 平成24年度】

【p4航空系事業収支参照のこと。p8〜p9は乗降客数と赤字・黒字の対比。】 

http://www.mlit.go.jp/common/001048086.pdf

 

その赤字の主な原因は、年間80億円以上にものぼる借地料(1番の地権者は民主党の松本元復興担当相一族です。)ですから、これをそのままにしておいて、民間委託というのは如何なものかというのが私の感想です。(国土交通省は福岡県等に対して、借地料はそのまま国が負担すると言っているとの未確認情報もあります。)

国土交通省 空港別収支の試算結果について 平成24年度】

【資料 別表1〜4 の別表1 土地建物借料の項目を参照のこと】

http://www.mlit.go.jp/common/001048084.pdf

 

既に福岡空港滑走路の増設は平成27年度概算要求に盛り込まれているようですから、国土交通省が福岡県等の有識者会議が承認しやすい環境を整えるために、借地料の国負担を約束していたのだとしたら、特定の個人又は団体のために、未来永劫、私達の税金が使われることになります。

国土交通省 H27概算要求概要 p7参照。予算額は記載されていない。】

http://www.mlit.go.jp/common/001054681.pdf

 

幸いなことに、今はまだ、麻生氏が財務大臣なので、いい加減なことはしないと信じています。

 

余談ですが、かつて、このような情報は公務員だけの特権のようなものでした。(今でも最新情報の入手は公務員の特権みたいなものですが。)公開されている情報には常に特定方向へのベクトルがかかっていますが(見えざる手)、きちんとノイズを排除すれば、使う人それぞれの武器にもなります。

本当に便利な世の中になったものだとつくづく思います。