haru_z1kのブログ

30年勤めた国家公務員を中途退職し、ボリビアで中山間地農業をやっていましたが、実家の事情で急きょ帰国しなければならない羽目に...。ボリビアには当分戻れそうにないので、これ以上ボケが進まないように、ニュースや生活の中から頭の体操をしていこうと考えています。

コンビニのおにぎりを比較する

私がコンビニの弁当とかおにぎりを購入するようになったのは、防腐剤等が使用されなくなってからですが、それでも購入するのは深夜残業等で「仕方なく」で、積極的に購入したことは一度もありませんでした。

しかも、コンビニの「おにぎり」と「弁当」と言えば、セブンイレブンのものしか食べませんでした。それは数年間にわたって、スーパーとかコンビニのいろいろなおにぎりと弁当を試してみましたが、セブンが一番「マシ」と感じていたからです。

それが最近コンビニでバイトを始めたので、様々な商品やサービスを購入して比較するようになり、先日、ファミマの店頭宣伝で「お米がおいしくなりました」という文字を見て「おにぎり」を購入し、セブンのものと比較しても充分美味しいのではないかと感じたので、具体的に比較検討してみることにしました。

 

まず、「美味しさ」を客観的に評価する方法を考えてみましょう。

昔から日本穀物検定協会(私達は穀検と呼んでいました)というところが米の食味評価試験をやっていますので、その評価基準を見てみます。

www.kokken.or.jp

それによると食味の評価は20人のエキスパートによる官能試験で、白米の「外観」「香り」「味」「粘り」「堅さ」と「総合評価」で判断しているようです。

具体的には、穀検のホームページを見て貰えば判るのですが、食味の評価は特AからB'までの五段階で評価されており、基本的には産地と品種が食味に大きく影響するのが判ります。

しかし、魚沼産のコシヒカリを除くと、同じ産地・品種でも、産出年によっては評価が変わりますので、安定的に「美味しい」おにぎりや弁当を提供するのは簡単ではないようです。

 

次におにぎりと弁当で大事な基準である「冷めても美味しい」を定義してみたいと思います。

実は、研究論文から引用しようと思っていたのですが、ホームページに判りやすいものがあったので、そちらを引用してみることにしました。

yumin2.jp

これによると「冷めても美味しい」という評価をするためには、まず、「もちもち感」があって、次に「ふっくら感」「お米の粒感」そして「香り」が大事だとわかります。

それらを踏まえたうえで、調査した方法なのですが、まず、近所の車で5分圏内にあるファミマ、ローソン、セブンイレブンで、おにぎりを購入します。

出来るだけ同じ具材のものを購入しますが、同じものがないときは別の「似たようなものもの」で代用しました。

包装のまま、米の表面、中味の写真を撮ってから、海苔をまいた具材の入っていない端っこの部分をひとくちだけかじり、30回咀嚼(そしゃく)して咀嚼した間の感触、味、香り(海苔の風味)で評価します。

最後に具材を含めた感触や後味で総合評価しました。

 

調査したのは3月1日、4日、6日、12日、14日、16日、21日の7回です。なお、3個のおにぎりを全部完食するのは、さすがにきつかったので14日以降はローソンを対象から外しました。それでも、この間に体重が2.5kgも増加しましたから、「糖質、恐るべし」ですね。

最初に比較したのは、具材が「鮭」のもだったのですが、何故かローソンだけは「紅鮭」ではありません。ホームページで調べて見ると関西では、おにぎりの具材に紅鮭は入れていないとの情報が・・・何故ゆえに????

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写真は左からローソン、ファミマ、セブンのおにぎりです。

なお、3月21日に確認したところ、ローソンも有明海苔を使用するようになっていました。念のため購入して食べてみたのですが、米は変わっていないようでした。

 

ローソンおにぎりの表示票

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ローソンおにぎりの表面

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ファミマおにぎりの表示票

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ファミマおにぎりの表面

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セブンおにぎり表示票

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セブンおにぎり表面

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三社のおにぎりの断面(左からローソン、ファミマ、セブン)

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これらのおにぎりの製造元、消費期限はそれぞれ、

ローソン (株)グルメデリカ九州工場 午後3時(15時)

ファミマ (株)フジデリカ新宮工場 午後1時(13時)

セブン (株)サンワフーズ 午後5時(17時)

で、比較試験したのは3月1日午前1時です。

今回の試験では、「鮭」の他に具材として「高菜」「昆布」「紀州南高梅」「玉子かけ風」「プレミアムいくら」「豚トロ(直巻)」を購入しましたが、ファミマとセブンはおにぎりの種類によって別の製造元に委託していました。ローソンは途中から対象外にしたので製造元が別にあるのか確認していませんが、米の形状や質感が同じことを考えると、ファミマもセブンも、米は指定しているか本社で調達したものを製造元に下ろしている可能性が高いと思います。

 

まず、ローソンおにぎりですが、写真からも分かると思いますが、米の粒がはっきりしていません。口に入れて咀嚼し始めると30回持たずに溶けていく感じです。少しお粥気味の柔らかい米を使っていました。昆布と南高梅でも同じ状態でしたから、そういう品種を使っているのか消費期限内はできるだけ柔らかくするために水分多めで炊いているのかもしれません。

 

次にファミマですが、米の形がハッキリしていて一口目でお米とお米の間の空間がわかるほどの噛み心地です。また、海苔は他社が有明産の焼き海苔を使用しているのにファミマが普通の有明産海苔を使用しているため、明らかに色に差があります。パリッとした感覚は少ないのですが、弾力があって黒く光っています。咀嚼し始めるとやっぱり海苔の香りが良い。米の艶やかさも感じられ、一口目は三社の中で私の一番でした。ふっくら感もあって咀嚼20回目くらいで溶けていく感じです。

 

最後にセブンですが、お米のふっくら感、粒感、海苔の風味等で明らかにファミマに負けていましたが、殆ど差がありません。好みによってはセブンの方が美味しいと感じる方もいると思います。問題は具材の存在感です。同じ紅鮭とは思えないほど、セブンの紅鮭の方が美味しい。結局、総合点ではセブンのおにぎりに軍配があがりました。

日高昆布、高菜でも具材の量・質でセブンの方が上だと感じましたが、南高梅はほぼ同等だと思います。

 

お米単体の味では、ファミマの方が美味しいと感じているのですが、今まで食べたことのない味なので、北海道産の新品種を使用しているのではないかと想像しています。ただ、ファミマが今までと「明らかに」違うと思うことがありました。

セブンとファミマで「玉子かけ風」というおにぎりを発売しているのですが、全く違う商品になっているのです。

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ファミマのおにぎりは具材に「卵黄加工品醤油だれ和え」を使用し、セブンは「卵ソース」を使用しています。

ファミマはおにぎりの真ん中にとろりとした卵の黄身が入っている感じです。

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セブンは、全体に卵が馴染んでいる感じに仕上げています。

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それで食べ比べてみると....

圧倒的にファミマのおにぎりが美味しい...

決してセブンのおにぎりが不味いということではありません。実は、ファミマのおにぎりは海苔に「味付け海苔」を使用しており、ご飯の美味しさと卵のとろみが、朝食で白ご飯に卵をぶっかけて味付け海苔で食べるという贅沢さを再現しているのです。

【2015/5/17追記】

ローソンで卵かけ風を販売していたので購入してみました。ハッキリ言ってファミマのコピーですが、卵の部分が少なくてまったく美味しくありませんでした。

 

さらにファミマのプレミアムおにぎりの「魚沼産コシヒカリ北海道産いくら」190円とセブンの金のおむすびの「いくら醤油漬け」220円を食べ比べてみました。

こちらもファミマに軍配です。いくらのとろり感とご飯のふっくら感が噛めば噛むほど調和されて美味しく感じます。セブンの方はいくらのトロリ感はともかく、ご飯が「滑って」うまく噛めない感じです。

 

極めつけは直巻きおにぎりの「ネギ塩豚トロ」130円です。セブンに比較対象となる具材の直巻きおにぎりがないため、ローソンが新商品として発売していた「新潟コシヒカリおにぎり豚トロ」178円を食べ比べてみたのですが、ローソンの豚トロの脂身が「くどい」と感じたのに比べて、ファミマの豚トロは明らかにお米のもっちり感が高く、脂身のくどさを感じさせません。ネギを使っているのも奏功しているのでしょう。

しかし(however)、

明らかにお米が違います。品種が違うのか幾つかの品種を配合していて配合比率が違うのかについては、遺伝子を調べて見ないと断言できませんが、明らかに他のおにぎりとは違うお米を使っています。

おにぎりはお米、具材、海苔と、構成要素がシンプルなだけに他社との差別化(新商品開発)は簡単ではないはずですが、ファミマのおにぎりには「本気」を感じることが出来ました。

 

ファミマは来年9月にサークルKやサンクスと統合することが発表されていますが、主力商品であるおにぎりの商品開発力に飛躍の予感を感じることが出来ました。これからもファミマの商品ウォッチを強化していきたいと思います。

 

www.family.co.jp

www.sej.co.jp

www.lawson.co.jp