やる気の問題?時給1500円を考える。(齢54からの就職活動)
世界的な格差社会が広がる中、各地でファストフードの時給を1500円にしろというデモが各地であったらしい....「らしい」というのは、私は、先週の土曜日(11日)から、激増したバイトの仕事でかなり疲労していて、帰宅した際はニュースも見ずにひたすら身体を休めていたので、そんな出来事があったとは露ほども知らなかったためです。
きっかけはたまたま今日見たYahooニュースでの中嶋よしふみ氏(SOCL編集長)が、時給1500円で日本は滅ぶという記事です。
いささかセンセーショナルなタイトルですが、言いたいことは理解できるので、さりげなく読み飛ばしていたのですが、結構、反発があるようで、これに対して経済学者の説を引用した記事がHatenaに載っていました。
極めつけは世界的実態を書いたこの記事です。
あ〜ぁ、中嶋氏が世界的実態を調べもせずに経営者的視点で記事を書いたことが判ってしまいましたね。これは恥ずかしい・・・。ここで私が述べた「中嶋氏の言いたいことは理解できる」という意味を説明したいと思います。
実は時給1500円というのは先進国における貧富の格差を無くすための指標であって、国民が幸福になることを意味していないからです。日本で、時給1500円で毎日馬車馬のように働いたとします。しかし、年収はせいぜい300万程度です。社会保障費や年金等、世界的な高水準にある公共料金や食費を考えると「安心して家族を養える」水準ではないからです。
そう、私が中嶋氏の記事で正しいと感じたのは「「健康で文化的な生活」を保障するのは企業ではない。」という「点」なのです。政府・行政が機能していないから国民が疲弊するのでしょうと。
ところが、ハフィントンポストにこんな記事が載っていました。
すごく立派な経営者のお話なのですが、この記事の中で、プリンストン大学が2010年に実施した研究によると、「幸せになるための理想的な年収の最高額」は7万5000ドル(893万円)という具体的な数値が載っています。
アメリカでこの金額ですから、社会生活のコストが高い日本ではさらに上の数値になると思います。
要は経営者のやる気の問題なのかもしれません。
さて、私の働いているコンビニも、この働いた半年で、私なりに分析して、「問題点」が明らかにできています。しかし、明確に「問題点」を書くと誓約書違反になるので、今までも書いていませんし、これからも書くことはできません。敢えて表現するなら雲の上は馬鹿ということです。クルーからの意見を吸い上げる仕組みはありませんし、インセンティブも無いので「貢献」しようという気にはなれません。
そして、オーナーや店長は極めて良い方達なのですが、端から見ていても激務でオーナーも店長も疲労の色が見えるときが多々あります。そう、コンビニのオーナーや店長は経営者のはずなのに随分ときつそうです。
東京都労働委員会が面白い判断をしました。コンビニのオーナーの団体交渉権を認めたのです。
ファミマ本部は、オーナーが団体交渉権を欲しがった意味を考えて対応して欲しいと思いますし上意下達のフランチャイズ方式に綻びが生じ始めている良い例だと思います。
そういえば、日本MacDonaldは、2014年のサラ社長の報酬に1億円、原田会長に3億円の退職慰労金を払っているのに社員の給与を下げるという記事がありました。
原田会長はせっかく育て上げた優秀な人材を流出させて、サラ社長は自分の拙い対応が会社の信頼を傷つけたという自覚はないのでしょうか。日本MacDonaldの恐慌状態を招いたふたりが、恥知らずにも多額の報酬を受け取り、さらに会社を疲弊させる。こんな金銭感覚の経営者が雲の上ということですね。
格差社会の是正の実現には、まだまだ長い期間が必要なようです。