haru_z1kのブログ

30年勤めた国家公務員を中途退職し、ボリビアで中山間地農業をやっていましたが、実家の事情で急きょ帰国しなければならない羽目に...。ボリビアには当分戻れそうにないので、これ以上ボケが進まないように、ニュースや生活の中から頭の体操をしていこうと考えています。

NHKの吉田調書報道に思う。sub,朝日新聞を高校野球の主催から外そう。

NHKが吉田調書について小出しに報道しています。

【8/24 19:20】

吉田元所長の証言“猛烈に反省” NHKニュース

【8/25 04:26】

吉田元所長証言 物資調達の課題指摘 NHKニュース

【8/25 22:03】

吉田元所長 官邸などの指示に疑問 NHKニュース

内容は非常に良く出来ていると思いますが、政府が9月に一部を除いて公表すると言っているのだから、それにあわせて十二分な取材を行ったうえで報道して欲しいと感じています。

ニュースは確かに迅速性が求められますが、吉田調書については、迅速性が求められているとは考えられず、過去の事実を明らかにするための1資料に過ぎないのですから、故人の遺志を尊重するためにも、調書内容を一人歩きさせないことの方が重要だと思います。そのためには内容に基づいた多くの関係者の証言を集め、記事を確かなものにして欲しいものです。

 

吉田調書公表の発端となったのは、朝日が5月20日に報道した「福島第一の原発所員撤退 吉田調書で判明」という記事です。これに基づいて欧米や韓国でもこの朝日の記事に基づいた報道が行われました。参考としてニューヨーク・タイムスへのリンクを貼っておきます。

福島第一の原発所員、命令違反し撤退 吉田調書で判明:朝日新聞デジタル

http://www.nytimes.com/2014/05/21/world/asia/fukushima-workers-fled-plant-after-accident-despite-orders.html?_r=0

これに対し、6月24日写真週刊誌のFLASHが「『東電フクシマ所員9割逃亡』朝日新聞一面スクープのウソ」という記事を掲載します。

FLASH (フラッシュ) 2014年 6/24号 [雑誌]

FLASH (フラッシュ) 2014年 6/24号 [雑誌]

 

更にMSN産経ニュースでも独自に調書を入手したとして朝日新聞への反論が記載されました。もっと早い時期に反論があった気がしますが、現在トレースできるもので一番古いのは7月1日の記事でした。

【異論暴論】もはや第2の「慰安婦報道」だ 朝日新聞へのレッドカード - MSN産経ニュース

 

私は吉田調書の内容を当然知りませんでしたが、朝日の記事を見たときに「ああ販売促進のためタイトルを誇張しているんだろうな」と感じました。というのは会員登録しないと朝日が調書としているものが見られなかったからです。少なくとも命令違反し撤退→逃亡というイメージを与え、「センセーショナルな記事」が記載されていると多くの方々に認識させることには成功していると思います。世界的にはそれまでフクシマは「50の英雄」を含めた必死で頑張る人達と認識されていたのですから。

 

実は、私は仕事で排水口付近の貝を調査するため、福島第1と第2を訪れたことがあります。第一と第2間は、距離にして10km程度ですが、テロ対策のためか直進できないよう設計されている道路で、車だと20分程度の距離だったと記憶しています。

私には水蒸気爆発後の原発の状況は判りませんが、写真で見る限り瓦礫が散乱している現場で非常電源の確保や注水作業を行うために、ある程度まとまった人数が必要だったことは想像できます。恐らく残っていた69名は全て作業中の技術者だったのではないでしょうか。事務員等一般職員と交代要員を含めた残りの職員全てが第2に待避したのでしょう。

交代要員が待避してしまった職員に含まれているとしたら、吉田所長が、第一の近くに居て欲しいと考えていたことも納得できますし、自分の思惑と違う行動を取って、職員が十分な休養を取ることができる(マスクを外せる)第2に待避したことを「追認」したことにも納得できます。なぜなら、第一と第2間は、車しか連絡手段がなかったとしても、1時間もあれば交代が可能ですから。

これは私の推測ですから、実態は吉田調書に基づく関係者への取材が必要です。朝日が購読者数欲しさに記事を脚色し読者に誤解を与えるよう仕向けたことは間違いないと思いますが、NHKを含めた報道には、待避した職員がどの程度の緊急性でどの程度の人数現場に残っておく必要があったのかを明らかにして欲しいと思います。

 

NHKやMSNが公表した調書の内容からは、頭のおかしい政治家への対応から、部品の適合性の確認まで現場で行わなければならず、吉田所長ひとりに、いかに重責が押しつけられていたか、極限状態の中で判断を強いられていたかが明らかになってきています。

あらためて、不眠不休で身命を賭して戦っていた人達に害を与えるしか能のなかった、菅元総理や東電の武黒フェローに激しい憤りを覚えます。そして、命がけで戦った人々を愚弄した朝日新聞と関係者には早期に退場を願いたいものです。

少なくとも、高野連を含めた関係機関には、高校野球の主催から朝日新聞を外して欲しいものです。