スタバのコンパナ
先日、福岡市中央区天神で新しい職場（バイト）への登録を済ませた私は、平日の午前11時半なのに人出の多さに驚いて、当初予定していたApple、ビックカメラ、紀伊國屋書店そして天神地下街の散策を諦め、取りあえず、昼食を取るため大名にある「一風堂」本店で、この１月から本店限定で発売されている「博多とんこつらぁめん」に煮卵がついたものを注文します。
そして、午前11時台であれば、替玉無料というメッセージをちゃっかり見つけて替玉と、ついでに紅ショウガとニンニクも注文します。（ごまや胡椒はテーブルより上に位置にある棚に並べられています。）
写真には撮り忘れたのですが、紅ショウガは小皿に少量ですが、人工着色料で真っ赤なものと違い、色は薄く付いているものです。
ニンニクは五個ほど入ったケースとニンニクのすりつぶし器が付いてきます。
（ 似たような製品がアマゾンにありましたので紹介しておきますが、プレス部分が外に出ているのでニンニクを箸で一個か二個いれたあと、プレス部分をニンニクの上に移動させる必要があります。初めての人にはちょっと使いづらいかも・・・）
入店して５分ほどで食事は終了です。最近、ますます太りやすくなった体質を気にしてスープは飲み干さずガマンです。
個人的には赤丸が好きなのですが、今回は復刻版ということで、ちょっと懐かしさもあって注文してみましたが、関東の人にはちょっと臭いかもしれません。
今でこそ世界中に広がった「とんこつラーメン」ですが、３０年前はハッキリと好みが分かれる納豆なみの扱いでしたから。
さて、この大名店からバスセンターに向かうにはAppleがあります。新しく買う予定のiPad Airを是非試してみて店員さんの意見を聞きたかったのですが、入場制限までしてコロナ対策をしているApple福岡店に、後ろ髪を引かれつつ離れた私は、そこから徒歩５分ほどの距離にある西鉄天神高速バスターミナルに向かいます。
そして、北九州市行き（小倉行き）バスの発車時間まで10分ほどあることを確認した私は、ニンニクたっぷりラーメンの口直しに、同じプラットフォーム上にあるスターバックスコーヒー西鉄天神高速バスターミナル店へと行きいつもの注文をしました。
「コンパナ、ドッピオ」、「エスプレッソドッピオのコンパナね！」
すると店員さんから
「私ここで二年勤めていますが、ドッピオのコンパナ初めて注文受けました。美味しいですよねコレ」
涙が出るほど嬉しかったのですが、バスの時間が迫っていることも有り、紙カップに持ち帰りでバスに飛び乗ります。
あとで気がついたのですが、小倉直行のバスで、私が降りる予定の引野インターには行かないバスでしたが、そんなことはどうでも良いくらい気持ちの良いひと言でした。
久し振りに食べた「とんこつ」らしいラーメンの影響もあって、ふと、思い出したことが有ります。
「とんこつ」がまだマイナーな３０年ほど昔の話です。
私は仕事や私事で東南アジアや南米を年に数回は訪れていましたが、メインバンクとして利用していたCITIバンク（日本から撤退済み）のクレジットカードがノースウェスト航空（現、デルタ航空）だったこともあり、仕事以外ではよくノースウェストを利用していました。
ノースウェストを利用する場合、南米の窓口となるマイアミへはダラス（旧ノースウェストの基地）経由で行っていました。マイアミでヴァリグ（ブラジル航空・現在は消滅）やリョイド（ボリビア航空・現在は消滅）に乗り換えて南米の各地へ乗り込んでいたのですが、マイレージサービスと低価格で躍進を続けていたアメリカン航空が南米の路線に乗り入れると状況は一変します。
アメリカンで日本から直接南米の都市へ乗り入れたほうが遥かに安いのです。
例えば、ブラジルのサンパウロへ行くのにヴァリグを使うと当時圧倒的な安さを誇っていた旅行代理店HISを利用しても閑散期の格安航空券でも往復で３０万円を超えていたのですが、アメリカンだと約２０万円でした。（因みに当時のエコノミークラス普通運賃は往復で約６０万円でした。普通運賃の航空券は一年間の有効期限があり予約をキャンセルしても違約金を支払う必要はありません。）
また当時、航空券は旅行代理店が空席の割り当てを航空会社から得ていて、個人で安い航空券を入手することは困難だったのですが、アメリカンは旅行代理店にだけ格安で卸していた航空券を、個人向けにも開放したので、マイレージをうまく使えばHISよりも安い値段で航空券を購入することも可能となり、当時、私がネットで購入した最も格安な航空券は南米往復で１０万円ていどでした。
あっという間に私のメインの航空会社はアメリカンへと切り替わっていきました。
当然、南米に向かうためにはアメリカンの基地であるシアトルを経由することが多くなります。
今でこそ「食べられる食事」を提供しているアメリカンですが、当時は「空腹を紛らわせる？というかはっきりと『不味い』食事」で、中継地のシアトルやマイアミのレストランで食事をとることが多くなりました。当時、私にとって食後のコーヒーは既に欠かせないものになっていました。
「スターバックスコーヒー」を初めて見たのはシアトルの空港内で、イチローがアメリカで大ブレイクする少し前のことです。
当時のアメリカでのコーヒーといえば「香り」が全然なく、初めてスタバを利用した時に『経営者は絶対日本人だ。』と根拠のない確信を持ったことをはっきりと覚えています。
その後、スタバは日本上陸を果たすのですが、長時間の超過勤務や休日出勤で一日１０杯以上のコーヒーを飲む癖がついていた私は、外出先で飲むコーヒーは専らドトールでした。
飲み方も眠けをはらうブラック、または、疲れた脳に糖分を補給するために砂糖を添加したブラックでかなり胃腸に負担をかける飲み方をしていました。
そして、太鼓持ちや接待で管理職になったバカ長の尻ぬぐいをしつつ、大手町からさいたま新都心へと庁舎の移転を終わらせた後、名古屋への転勤です。名古屋では少しは楽になるかと思ったのですが、新しい上司から、私は、前任者の尻ぬぐいのため派遣されたという事実を知ることになります。
幸い周りに良い同僚が大勢いて、たいへん助けてもらったので、残業は多かったものの無事にミッションはクリアすることができました。
名古屋での思い出は３０年の公務員生活で２番目に良い思い出となっています。
同僚６人とマレーシア旅行に行ったこともその一つですが、特に年下で優秀な同僚と交流する機会に恵まれたことが「公務員」を嫌いにならずにすんだ理由の一つです。
そして彼らに連れられるまま訪れたのがすでに名古屋の中心地「栄町」に２店舗進出していたスタバです。
呪文のような注文をこなしていく彼らに少し戸惑いつつ一番安いコーヒーを注文します。エスプレッソのソロ（シングル）です。
『なにこれ! めっちゃ、うまい!』
当時のスタバの店員さんはプロ意識も高く、
「エスプレッソを飲んだ後は水を飲んだほうが後味が悪くならなくて良いですよ。当店で出す水はコーヒー入れるのと同じ清水ですから美味しいですよ」とか
「コンパナにしてクリームを最後に舐めると苦みが残らないから持ち帰りで頼む時はコンパナの方が良いですよ」とか
色々とアドバイスしてくれました。
個人的にエスプレッソマシンも購入して色々と試してみましたが、スタバのエスプレッソほど美味く出来た試しはありません。ただ、東京で無理したことが祟り、名古屋にいる間に胃潰瘍と十二指腸潰瘍に痔が悪化して貧血状態になり、手術する羽目になったのですが、以後、医者の勧めもあって、ブラックに砂糖を入れてコーヒーを飲むことはやめることになります。そして、エスプレッソの芳醇な香りに驚くほど精神を鎮める効果があり、コーヒーの杯数がかなり減ることに気がつきました。
仕事前の一杯のエスプレッソ。そして、ポットに入れた白湯。エスプレッソマシンは清掃が大変なので、残業後や休日はスタバの利用が増えることになりました。
結局、名古屋にいた４年間の間にスタバの全メニュー（当時）を制覇した私は、夏場は抹茶クリームフラペチーノを注文することはあったものの、ほとんど、エスプレッソのドッピオ（ダブル）またはドッピオ・コンパナを好んで注文することになりました。
ただ、英語と西語に慣れ親しんでいた当時の私は、名古屋にいた４年間、ソロ・ドッビオという単語に慣れず、シングルとダブルで頑なに通していました。
西語でSingleはSolo（ソロ）、DoubleはDoble（ドブレ）なので、Soloを意識したとたん、Doppio（ドッビオ）という伊語がどうしても口から出てこなかったからです。
さて、その後、公務員を辞め、南米に渡り農業を営んで、介護してと色々あったこともあり、すっかりスタバから遠のいていた私ですが、３年ほど前に私の勤務地の近くである黒崎駅にスタバができました。
早速、「エスプレッソ・ドッビオのコンパナください。」と注文します。
若い男性店員さんですが「私もコレ好きなんですよ」といってデミタスカップに入れてくれました。
だから、コンパナがマイナーな商品だとはつゆ知らず、この２年間ほど黒崎店以外のスタバでも「エスプレッソ。ドッピオのコンパナ」と注文すると、クリームが載っていない単なるドッビオが出てくることが多々あり、「なんか店員さんの質が落ちたな」なんて考えていたのですが、仕方が無いので、
前述の注文方法のとおり、
「コンパナ、ドッピオ」とまず『コンパナ』であることを強調し、
次ぎに『レジ打ちの手順』であろう、
「エスプレッソ・ドッピオのコンパナね！」
と大事なことは２回という注文方法をとるようになりました。前述の若い男性店員さんは最近見かけないので他店からの応援だったのかもしれません。
最終的にレジ機のお客向け画面の液晶上部に『ドッビオ・コンパナ』と表示されるのを確認する方法を見つけたので、今では「間違い」はおこりません。（もっと早く気づけよ、わ・た・し・）
因みに、黒崎店でクリームが載っていない単なるドッビオが出てきた時、一度だけクレームを付けたら女性店員さん（色々と仕切っている人だったのでたぶん偉い人）がすごく面倒くさそうに嫌な顔をして対応したので、以後、黒崎店ではなるべく持ち帰りにするようにしています。
さて、マイナーな商品であることが判明した「コンパナ」ですが、深夜に及ぶ残業や嫌な上司等でコーヒーの杯数が増えている人には是非一度試してもらいたい商品です。
何せ手術までした私がこのコーヒーを飲み続けて問題無かったのですから。
ただ、美味しく飲むなら気持ちの良い店員さんの居る店で、まず、デミタスカップで是非飲んでみてください。
飲み方は、カップを傾けクリームの下にある香り高いコーヒーを飲んでしまって、最後にクリームを口中にゆったりと広がらせます。折角の香りが台無しになるので混ぜてはいけません。
エスプレッソは淹れ立てが一番美味いのですが、猫舌の人でも安心して飲めます。量が少ないうえクリームで蓋がしてあるので猫舌の人でも少し待ってから、まずコーヒーを楽しみ、口直しにクリームを飲むことが美味しく飲むコツです。
私も今月末から博多駅近くで働くことになったので、天神からは離れているのですが、JRの定期券を買うまではなるべくこの店を利用したいと考えています。
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閑 話 休 題
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さて、折角三千円近くも払って天神に赴いたのに早々に帰宅を決めたのは、マスクも付けず堂々と大声で話すバカ者が少なからず居たからです。確かに福岡は緊急事態宣言から解放されましたが、どうやらバカ者も解放されたようです。
個人的にコロナ渦の対処として重要なのは、無症状感染者対策にあると考えています。
ハッキリとした数値は判りませんが、感染者の何割かはこの無症状者で、例え咳き込んでいなくとも、口元に当てた手は汚染され、大声で喋れば飛沫感染も起こします。
マスクでは自分が感染することは防げないようです。
だけど、自分が他人にうつす心配は少なくなるので、自分が喋る時や他人が近くに居る時は必ず着用して欲しいものです。
日本が新たな感染源とならないためにも、このマナーが徹底されないようなら東京オリンピック開催は断念して欲しいものです。
