haru_z1kのブログ

30年勤めた国家公務員を中途退職し、ボリビアで中山間地農業をやっていましたが、実家の事情で急きょ帰国しなければならない羽目に...。ボリビアには当分戻れそうにないので、これ以上ボケが進まないように、ニュースや生活の中から頭の体操をしていこうと考えています。

飯島勲内閣官房参与の北朝鮮訪問に思う

今日、国会質問で民主党の山根氏が飯島参与の訪朝がアメリカと韓国に不快感を与えたのではないかととう趣旨の質問を行っていた。

外交だけに限ったことではないが、政治や行政の世界では情報収集は極めて重要で、少ない情報量を基に的確な判断を迫られて失敗した例は多い。私が裏方を務めた名古屋で行ったシンポジウムでは、司会をお願いした名古屋大学の先生の学歴や人柄をその著書や実際に学んだことのある学生から聞き取りしたり、パネラーの先生方と事前の打ち合わせから導かれるであろう結論を数パターンに解析したりと、三ヶ月の準備期間の大半を徹夜を含むサービス残業で対応した。大事なのはパネラーの1人として参加しているうちのボスに恥を欠かせないよう事前に起こりうることを想定しておくことだった。

そういう意味では、今回の北朝鮮訪問でマスコミの取材を想定していなかった外務省職員の責任は大きい。北朝鮮への訪問ではある程度の大物を送り込まないときちんとした情報がとれないし、北朝鮮への対応でアメリカや韓国と連携するにしても、アメリカと韓国からの情報提供だけに頼っていたのでは、アメリカや韓国より遙かに劣る外交しかできない。また、具体的に何が得られるのかハッキリしないものにアメリカや韓国への事前説明が必要なはずがない。(そういえば、韓国の大統領は訪米してオバマ大統領とアメリカ議会に、日本の悪口を散々言っていたみたいだが、発言の趣旨を事前に日本に説明していたのだろうか。)

外務省としては、秘密裏の会合が終わって、今後の方向性が見えた後で、訪問を公表することを想定していたのだろうが、北朝鮮が、日本の公表を待たずに事実を公表することは十分に予想できたはずだ。

安倍総理は答弁で飯島参与北朝鮮訪問の根底に「拉致問題」があることを明確にした。

ホントにすごい総理大臣が日本に誕生したと思う。